deepseekの概要から、ディープシークショックの仮想通貨市場への影響を徹底解説します。
さらに、deepseekショックにより今後注目が上がるアルトコインのカテゴリーも2つ紹介。クリプト投資家なら抑えておくべき重要なAIトレンドを、できるだけわかりやすくお届けします。
本記事の執筆者
クリプトが大好きで、毎日まじめにリサーチしてます。
主にポスプラで活動中。
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・PostPrime年間アワード Analyst賞受賞
1. ディープシーク(DeepSeek)ショックとは?概要と最新状況
1-1. deepseekとは何か?中国発のAIに注目集まる
deepseekはchatGPTの競合となり得る新しい中国発のAIです。
まず2025/1/20にDeepSeek-R1という最新モデルを発表、ChatGPTの最新モデルo1と同等のパフォーマンスが出たということで大いに話題になりました。
そして2025/1/27前後にDeepSeekが米国と中国のアプリランキングで1位を取り、一気に注目が集まりました。
1-2. deepseekの評価とリスク、活用事例まとめ
とはいえ中国のことだからデータ改竄してるんじゃ?という声もXでは多数見かけます。
しかしオープンソースである事から、誰でもコードを検証可能なのでその可能性は低そう。そして、AIやエンジニアの評価や具体的な活用事例を見ても、性能面ではおおむね評価が高そうでした。
Xで見つけたDeepseekの活用事例をいくつかご紹介します。
webブラウザを操作するエージェントをdeepseekで作成した事例
Operatorを使用するのに200ドルを支払う必要はありません
コードを 1 行も書かずに、Web ブラウザを使用するエージェントを作成できます。
DeepSeek R1 と Browser Use (無料のオープンソース) を組み合わせれば、準備完了です。
出典:https://x.com/itsPaulAi/status/1882891087754506522
iPhone16でも動作する軽さも話題に
Deepseek r1 モデルで複雑な医療シナリオを推論
これは余談ですが、DeepseekのAIエンジニアが可愛すぎる件も話題にw
北京大学出身の才女で、中国では有名な方らしいです。
一方で、deepseekの使用についてはリスクも警告されていました。
国際問題については中国よりの回答に偏る
データの取り扱いも完全に中国より
当然といえば当然ですが、deepseekを使う場合は、個人情報など重要なデータなどは入れない方が無難ですね。
1-3. ディープシークショックとは?:低コスト高性能AIの登場でNVIDIA株価急落
そんなdeepseekですが、「実際のところ市場となんの関係があるの?」と不思議に思う方も多いでしょう。
おそらくこちらが、NVIDIAが崩れるきっかけとなった投稿の一つです。
中国#DeepSeekは、最先端のチップにアクセスできないまま、極めて低価格で画期的なAIモデルを構築したとみられ、この業界に注ぎ込まれている数千億ドル相当の設備投資の有用性に疑問を投げかけており、米国株式市場にとって最大の脅威となる可能性がある
出典:https://x.com/Schuldensuehner/status/1882908672952582477
1/25土曜に上記のこれまでの米国のAI投資が過剰だったという投稿がバズりました。
そして1/27月の米国市場のオープンでNVDAが−18%と1日で史上最大級の下落を記録します。
理由として中国は、米国の規制で高価なGPUを買えないことになってるにも関わらず、最新のAIと同じスペックを出してきました。これにより、米国株指数を支えていたNVIDIAのGPUニーズに疑問が入る形に。
またDeepseekはオープンソースであり、ユーザーが負担するコストも大幅に低減しています。
DeepSeek R1 は 100% オープンソースであり、OpenAI o1 よりも 96.4% 安価でありながら、同様のパフォーマンスを提供します。
OpenAI o1: 100万出力トークンあたり60ドル
DeepSeek R1: 100万出力トークンあたり2.19ドル200 ドルの ChatGPT サブスクリプションをお持ちの方は、よく考えてみてください。
出典:https://x.com/Saboo_Shubham_/status/1881544014421447167
これにより、AIインフラやデータセンターに過剰に投資していたAIバブルの神話が崩れ、米国市場にショックが訪れました。
1-4. ディープシークショックの株式市場への今後の影響
元BitMEX CEOでクリプト業界で著名な投資家アーサーヘイズ氏もこのようにコメントしてます。
DeepSeek を中国共産党のプロパガンダに過ぎないと考えている DeepSeek 嫌いの皆さん、私にこの謎を解いてください。
なぜ、米国のハイエンドチップ規制を回避し、AI で優位に立つために政府から数千億元の資金提供を受けた中国の大企業、大学、または地方政府が出資する新興企業が DeepSeek を開発しなかったのか?
なぜ、杭州のヘッジファンドだったのか?中国共産党はヘッジファンドを好んでいない。中国で取引したことがある人なら、西側諸国の株式市場や債券市場と取引するのが、時にはどれほどイライラするか分かるだろう。
私は AI について何も知りませんが、これは中国が好む「革新」の方法ではないように思われます。また、間違ったタイプの人々が革新を行っています。これらは私の独自の考えではありません。ありがとうございます。
しかし、疑問を抱けば抱くほど、GDP の 230% という史上最高値で取引されている米国市場を買いたくなくなる。これは、2000 年のハイテク バブルの 175% や 1929 年の 130% よりも高い。そして、人々が米国株から撤退した場合、キャピタル ゲイン税はどこから来るのだろうか? 2028 年の 3% の赤字 (ベッセントの 3 本の矢の 1 つ) ではなく、7%、8%、9%、または 10% になるだろうか?
出典:https://x.com/CryptoHayes/status/1884208971818623022
つまりアーサーヘイズは、今回のdeepseekの成功は中国政府のいつものやり方ではないので、むしろ信憑性が高い。そして米国株はすでに割高と考えているようです。
とはいえ、実のところGPUの需要はなくならないという説もあります。
学習に必要なGPUをコストカット出来たとしても、サービス提供に結局GPUは必要なのでニーズは無くならないということですね。
またイーロンマスクは、そもそも中国は明らかに高価なGPUを隠し持ってると疑っています。
GPUのニーズについて、事実はどうあれ相場を決めるのはけっきょく投資家。
米国株の投資家たちは、資金を移動させ始めています。
deepseekショックから1週間、1/31時点での米国株のパフォーマンスを見てみるとNVDAは−14%、電子テクノロジーのセクターも下落が目立ちます。一方でテクノロジーサービスやヘルステクノロジーなどは上昇傾向。
つまり、学習に使うAIインフラやデータセンターは過剰な投資が見直され、安価なAIサービスを利用して業績を伸ばせるテック企業へと投資資金が移動して始めてます。今後もこのシフトチェンジは続く可能性があります。
2. deepseekショックの仮想通貨市場への影響
2-1. ビットコイン価格の急落:心理的節目10万ドル割れと反発シナリオ
ビットコインは、deepseekショックの1/27当日、一時的に10万ドルを割れて話題になりました。
しかし、チャートを見ての通りほぼ影響なく戻しています。
反発要因として、ビットコインの旧正月アノマリーが考えられます。
2025年は1/28からチャイニーズニューイヤーに入っており、過去の傾向をみるとBTCのパフォーマンスは非常に良いです。
今回のdeepseekも中国発であり、中国株も堅調なことを考えると、2/4前後まではチャイナマネーにBTCも支えられる可能性が高そうですね。
2-2. アルトコイン市場の反応:ディープシークショックで急落・急騰した銘柄
一方でアルトコインはというと、銘柄によってはかなり大きな下落に巻き込まれました
特に直近で盛り上がっていたAIエージェントなどが下落。NVIDIAとの相関が高いことも影響してそうです。
逆に上昇したカテゴリーは以下の通り。
deepseekショックの翌日はミーム、ソラナエコシステム、AIビッグデータ(古めのAi系)に資金がはいったようです。
昨年からずっと強いセクターに引き続き資金が入っている印象ですね。
2-3. 仮想通貨関連企業への影響:マイニング業界とAIプロジェクトの未来
ビットコインのマイニング企業も、ネガティブな影響を受けています。
deepseekショックから1週間のパフォーマンスでみると−15%以上の下落銘柄が多数。
最近マイニング業界は、電力設備を活かしてAIデータセンター事業への参入計画を出していた所もありました。今回のdeepseekショックを受けてAIデータセンターへの過剰投資が見直される中、マイナスの評価を受けたかも?
とはいえ、本業のBTCの価格が強含むならば、一時的な下落から今後もキャッチアップできる可能性はあります。
3. deepseekショック後の市場予測と注意点
3-1. アルトコインシーズンが遅れている理由【トークン多すぎ】
アルトコインに投資している人の多くが、アルトシーズンの到来を待ち侘びています。
皆さん、まだ#Altseasonのフェーズ 2 にも入っていません! これはめちゃくちゃ強気です!
出典:https://x.com/MicahPW20/status/1884745343100731868
しかし最近はBTCがアウトパフォームする状況が長く、なかなかアルトのターンが来ておりません。
その要因として、トークンの数が多すぎることが考えられます。
ALTSEASON が遅れているのはなぜですか?
2013-2014年 – 500トークン
2017-2018年 – 3,000トークン
2021年 – 30万〜300万トークン
2025年の今日 – 3,640万トークン
出典:https://x.com/Ashcryptoreal/status/1883431745040613402
1億人に達すると予想されています。
上記の通り2025年1月の現在、前回バブルの2021年の10倍近い種類のトークンが生まれています。
なんでもかんでも上がるアルトシーズンを起こすには、10倍近い新しい投資資金が必要です。
クリプト市場の時価総額も大きくなり、成熟が進んでいるのかも。今後は、アルトコインの中でも強いセクターやトレンドを見極める必要がありそうです。
今回のdeepseekショックなど、市場全体の調整が来た時に、反発が強いセクターや注目度が高いカテゴリーを探すと良いです。
3-2. ディープシークのニセモノコイン(DeepSeekAI)やスキャムに注意
XでDeepSeekのように何かバズると、ほぼ確実にそのキーワードを使ったトークンが発行されます。
しかしほとんどのケースがスキャムです。今回もDeepSeekAIというコインが出ましたが非公式。
この翌日には案の定暴落してました。くれぐれもご注意下さい。必ず公式アカウントなど一次情報を確認しましょう。
また別件でこんなケースも、deepseekでクリプトbotを作って爆益を出したというポスト。日本でも引用ポストがバズってました。
しかしbot開発の有識者の方によると、画像を加工したスキャムの可能性が高いそうです。
じっさいbot作者のアカウントを見ると、16万もフォロワーいるのに、ぼくがフォローしてるクリプト界隈の有識者は誰一人としてフォローしてませんでした。
君子危きに近寄らず…クリプト業界では本当に様々な詐欺(スキャム)があります。くれぐれもご注意ください。
4. deepseekショックで注目すべきアルトコインと投資チャンスの見つけ方
4-1. AI関連銘柄の再評価:AIエージェント、DeFAIなど
トランプコインの登場あたりからミームに資金が移り、AIエージェントやDeFAIという新しいセクターから資金が抜けておりました。
しかし、Xでのマインドシェア(注目度の指標)では以前としてAIの注目度は高いです。
deepseekショックの翌日も価格は下がりましたが、AIやDeFiの注目度は上昇。
deepseekショック当日によく話題になったワードにもAIやagentの文字が入ってます。
Crypto X AI の優れた点は、すべてのモデルを活用していることです。
Deepseek は、質の高いエージェントとエージェント企業のタイムラインを加速します – 強気です。
一方、AIエージェント全体の時価総額は最高値から50%下落し、 $SHIB未満と評価されています。
出典:https://x.com/CryptoKoryo/status/1883831859152343071
上記はAI agentセクター全体でSHIBコイン以下の時価総額はさすがに過小評価という説。deepseekの登場でむしろAIエージェントの開発コストは下がるはず。本来は強気の材料であり、ぼくも同意見です。
またCZがアドバイザーのYZi(旧Binance)ラボもdeepseek活用したAIプロジェクトに投資してます。
deepseekという高性能なAIオープンソースが出たことで、今後もさまざまなクリプトAIプロジェクトが出てきたり、既存のAIの性能が向上していくかと。
4-2. 中国系プロジェクトにも注目
株式市場では米国株が下がり、代わりにこれまで軟調だった中国株を中心にアジア圏に投資資金が移りました。
一方、仮想通貨市場では、今のところ中国関連のカテゴリーに強さはありません。しかし、次にdeepseekや別の中国AIなどが話題になった時に、資金循環の選択肢に入る可能性はあります。
2025/1/28から旧正月期間にも入ってますし、一応チェックしておいても良いでしょう。以下に中国関連のアルトコインがわかるポストやサイトをご紹介します。
中国関連アルトコインリスト
コインゲッコーの中国製アルトコインの一覧
コインマーケットキャップの中国関連銘柄はこちら。
5. まとめ:deepseekショックの仮想通貨への影響
5-1. 米国株はローテーションもクリプト全体への影響は一時的
deepseekショックは、米国株式市場において特にNVIDIAを中心としたAIインフラ関連銘柄に大きな影響を与えましたが、仮想通貨市場全体への影響は限定的でした。
deepseekショックの市場への影響まとめ
- 米国株式市場では、AIインフラからAIサービスへの資金シフトが進行中
- ビットコインは一時的な下落後、旧正月相場で反発
- アルトコイン市場では、継続的に強いカテゴリーへの物色が入る
5-2. AI系、中国系など関連銘柄に注目
今回のdeepseekショックを受けて、仮想通貨のカテゴリーとしては以下のようなテーマに注目が集まる可能性があります。
AIエージェント・DeFAI関連の注目ポイント
- deepseekの登場で開発コストが低下するのは強気材料
- 時価総額が過度に下落しつつも、注目度は高く再評価の可能性あり
中国系プロジェクトの注目ポイント
- 旧正月(チャイニーズニューイヤー)相場での資金流入期待(2025年は1/28〜2/4)
- deepseekのアップデート情報や新しい中国AIの台頭による恩恵の可能性
deepseekショックとは別の観点から、最近ぼくが注目しているアルトコインについては、こちらの記事でも解説しております。
5-3. MEXCを活用して次の投資チャンスに備える
草コインの早期投資に必須の取引所 MEXCの紹介コード「2cuJu」もいちおう置いておきます。
deepseekやトランプコインのような大きなトレンドが起きた時に、いち早く投資チャンスを探るなら、上場が早い中央集権取引所をおすすめしてます。(DEXはスキャムリスクと確定申告の手間が多くて苦手)
2/16までなら入金と先物取引の条件を満たせばお互い100$貰えるみたいです。日本円でだいたい15,000円くらい。大金ですね。
次に投資チャンスが来た時の準備として、事前に開設しておくのがオススメです。そなえあれば憂いなし。